いとはし






相容れねぇなぁ‥。
相容れねぇよ、俺たち。

所詮、掲げた正義が違うのだ。


魂の在り方を問うお前に俺は、肉の在り方を問う。


沿うても交わることはない


どれだけ糸を結んでも、お前は片端から解いてしまう。誰もの手を取るくせに縁を結ぶことはないのだ。その両腕に抱き込んでみたって、あっさり離してしまえるのだ。
嗚呼、お前は真平等よ。一切に隔てなく、それ故に執着もなく、寄る辺ない。
孤独もなく、悲喜もなく。焦燥もなく、怠惰もない。
天に燃える炎の如く、お前は他を顧みる必要がないのだ。










('07/11/16  耶斗)