大門の手前、真っ直ぐに里の中心へのびる大通りの真ん中で青年は嘗ての恩師に呼び止められた。
「いくのか、ナルト」
「イルカ先生」
 旅への不安なぞ一片もない顔でナルトは大きな目を元気に開いている。
 恩師は今日も優しげな笑みを湛えて、柔らかに眦を下げている。
「火影さまも許されたようだな」
「おう」
「‥待ってるよ」
「うん!」
 その言葉が嬉しいのだと、いわんばかりの元気な返事で踵を返そうとしたナルトはしかしはたと足を止めた。
「なんだ?」
「オレのコドモたち、ヨロシク頼むってばよ」
「あぁ。任せとけ」
「じゃな!イルカ先生っ」
「いってこい。ナルト」
 力強く送り出されて、嬉しくなったナルトはやっぱり弾むような足取りで門をくぐった。